慰謝料請求や訴えるとパワハラ加害者はその後どうなる?うつ病/病気&刑事罰にもなります

【職場の人間関係】
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ミト(元ディズニー社員)

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パワハラでうつ病になったら慰謝料の最高額は?加害者のその後。精神的つらい事例【裁判費用いくら?】

学校だけでなく職場においても同様に、いじめやパワハラが存在しています。

年齢や職責などによって上下関係がはっきりしていたり、職場内での立場を守るために長いものに巻かれざるを得なかったり……などと考えると、むしろ職場の方が学校よりも人間関係のいざこざが起こりやすいのではないか、とさえ思います。

そんな職場でのいじめやパワハラに万が一巻き込まれてしまった場合、どうしたらいいのでしょうか?

今日は、そんな場合の相談先や、訴えた場合の慰謝料など、職場いじめやパワハラをめぐる法的な論点を整理してみましょう。

まずは、法テラス(国が設立した法的トラブル解決の総合案内所)に一度問い合わせてみるのがいいでしょう。

「攻め:法テラスや弁護士に相談」と「守り:次の道」を両立しよう

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パワハラとは?簡単に解説

パワハラとは、職場において、権力を利用した嫌がらせ

それ自体は昔から行われていたことだろうと思いますが、21世紀に入って「パワー・ハラスメント」という用語が作られ、一般大衆の間で共通認識ができたことから、一気に社会問題化したような感覚があります。

各地の労働局などに寄せられた労働相談でも、ここ4年間、職場いじめやパワハラに関する相談件数が最も多く、全体の相談件数の約22%を占めます。

平成27年度の1年間だけでも、相談件数は実に6万6000件以上にのぼっています(統計上は「いじめ・嫌がらせ」)。

いかに多くの人が職場いじめやパワハラに悩まされているかという事実を示していると言えます。

これだけ一般市民に定着したパワハラですが、先に述べた通り用語としては比較的新しいということもあって、実は現時点でも具体的な定義や法規制などがあるわけではありません。

一般的には、上司が自分のパワー(職務上の地位や権限など)を利用して部下の人格を損ねる、という職場内の人格権侵害の類型のひとつと考えられています。

上司が部下に対して注意をするとか、場合によっては叱責をすること自体は必要なことです。

会社では集団で仕事をしている以上、会社の意に沿わない仕事ぶりに対しての注意や叱責は、ある程度は当然許されるからです。

しかし、その注意や叱責が度を超して、被害者の人格権を損ねるようなかたちで行われたとすると、パワハラとして違法性を帯びてくることになります。

労働者側に叱責される理由があるとしても、会社のやり方がひどければパワハラは成立しえます。

時々、厳しい新人研修のようなものがテレビ番組で取り上げられているのを目にしますが、個人的にはいかがなものかなあとクビを傾げることもあります。指導や研修という名前でパワハラが行われると、労働者側としてはなかなか言い返せませんからね。

パワハラ(職場いじめ)の事例:精神的につらいパターン

職場いじめやパワハラは、言動そのものの種類であったり、そのような言動に出る目的であったり、発生した結果であったりと、さまざまな角度から分類することができます。

まずは、どのような言動がパワハラを構成しうるかという観点で見てみましょう。

パワハラ(職場いじめ)のパターン:存在を軽視

仕事ぶりや人格などを否定するパターンです。

仕事の成果を全く認めなかったり、見せしめ的な叱責を繰り返したり、人事考課において異常に低い評価を与えたりといった職務に関係することにとどまらず、むやみやたらに暴言をぶつけたり、部署内で無視をして孤立させたり、全社的に知れ渡るような中傷をしたりといった、人格的な職場いじめに発展することもあります。

パワハラ(職場いじめ)のパターン:罰ゲームなどむりやりやらせる

上下関係を利用して、嫌がる労働者にむりやり何かをさせるという、これもよく見られるパターンです。

宴席の罰ゲームで脱がせる、好意を抱いている異性に告白させるといった若干私的な領域における子どもじみた行為もありますが、職務上でも、達成が到底困難なノルマを課す、キャリアを無視した配置換えがなされる、他人のミスの責任を被せられるといった、職務上の権限や部署内の人間関係から生まれるパワハラもあります。

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パワハラ(職場いじめ)のパターン:仕事を与えない(追い出し部屋)

勤労意欲を低下させることなどを目的として、会社や上司が主体となって行う嫌がらせのパターンです。

仕事に必要な道具や情報を与えない、無意味な作業に従事させる、そもそも仕事自体を与えないといったものであり、いわゆる追い出し部屋などもこれに該当するかと思います。

パワハラ(職場いじめ)のパターン:机を叩く・道具を叩きつける

明らかに理不尽な行為であり、違法性が一番分かりやすいパターンです。

殴ったり蹴ったりといった肉体的な暴力はもちろんのこと、机を叩くとか道具を叩きつけるといった道具を使った脅しもあります。

ちょっと変わったところでは、扇風機の強風を当て続けたことがパワハラに該当すると認められた裁判例も実在します。

パワハラ被害者のその後(うつ病は慰謝料請求しよう)

では、先に挙げたような言動について、会社側は何を企図しており、また労働者側はどのような状態になってしまうのでしょうか。

実際に訴訟等で問題となるケースは、以下のいずれか、もしくは両方に該当する場合がほとんどです。

パワハラ被害者のその後:うつ病・精神疾患

会社(または他の労働者)からのパワハラを受けた労働者は、ときにうつ病などの重い精神疾患を発症してしまう場合があります。

これにより労働者が病気休職や退職に追い込まれるという退職勧奨につながることもありますが、労働者が自殺をしてしまうという最悪のケースも起こりえます。

会社として、労働者を精神疾患にかからせてしまおう、自殺させてしまえと意図することはさすがにないでしょうが、だからといって会社などが民事・刑事上の責任を負わないわけではありませんし、業務に基づいて病気や死亡に至ったものであるとして労災認定の対象にもなりえます。

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パワハラ被害者のその後:自主的に辞めさせようとしてくる

労働者を「自主的に」辞めさせるために、会社や上司が当該労働者に直接圧力を掛けたり、職場の雰囲気を誘導して当該労働者の人格権を侵害したりすることは、退職勧奨が退職強要へと変わり、パワハラに当たるものと考えられます。

職務能力や勤務態度に問題がある労働者を辞めさせたいけれど普通解雇にするほどではない、懲戒事由に該当するような行為に出た労働者を穏便に辞めさせたいという理由で、会社が労働者に退職をするよう働きかけることがあります。

これを退職勧奨といいますが、この退職勧奨自体は法的に問題のある行為でも何でもありません。

これは、会社からの単なるお誘いであり、労働者がその退職勧奨を受け入れないのなら、労働契約が解消されることもないからです。

しかし、辞めさせたいと思っている労働者に居座られた会社が、意地でも労働者に退職勧奨を受け入れさせようとして、労働者を過酷な状況にさらすことがあります。

パワハラ加害者のその後→降格処分・慰謝料支払い・刑事罰

では、パワハラによって上記のような問題が発生した場合、会社や加害者はどのような内容の責任を負うことになるのでしょうか。

パワハラ加害者のその後:降格処分・懲戒処分

法的責任からは若干離れますが、会社は加害者個人に対して懲戒処分をすることができます。

パワハラは被害者の人格権を侵害するものであり、企業秩序違反行為にあたるといえるからです。

パワハラ加害者のその後:民事責任と慰謝料の相場

パワハラにあたるような言動をした加害者については、仮に刑事責任が追及できるほどではないとしても、民法上の不法行為が成立しえますので、被害者は加害者個人に対して、損害賠償(民法709条)や慰謝料(同710条)を請求することができます。

また、加害者個人ではなく会社に対しても、「使用者責任」といって、従業員が事業の執行について第三者に損害を与えた場合に、その損害を賠償しなければならないというありがたい条文(民法715条)がありますので、これをもって損害賠償請求ができます。

加えて、会社としてパワハラの存在を認識しているにもかかわらず、指導監督や従業員の配置換えなどの手段をとらずにパワハラの状態を改善しようとしなかった場合には、安全配慮義務違反による債務不履行責任(民法415条)を追及する余地もあります。

慰謝料額については、パワハラの態様や被害の程度、またその行為の目的(意図)等の要因によって金額が算定されています。

パワハラ加害者のその後:刑事罰/刑事責任

刑事責任を負う主体となるのは、パワハラの加害者本人です。

とくに身体的接触を伴うパワハラにおいては、それ自体が刑法上の犯罪に該当しますので、加害者が懲役や罰金などの刑事責任を負うことになる可能性があります。

暴行罪(刑法208条)や傷害罪(同204条)などがそれにあたり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になってしまった場合もこれに含まれるといえます。

また、加害者が侮蔑的な言動に出た場合には、加害者に名誉毀損罪(刑法230条)侮辱罪(同231条)などが成立する余地もあります。

パワハラで訴えた時の慰謝料の最高額は300万ほど

パワハラの慰謝料の相場としては、ざっくり50万円~300万円程度です。

なお、目的は正当だったけれどやり方がマズかったよね、という程度のパワハラであれば慰謝料額が数万円にしかならないこともあります。

ただし、パワハラによって精神疾患にかかったり、さらには自殺に至ったりしてしまった場合には、本人や遺族が、慰謝料請求とは別個に逸失利益(本来であれば得られたはずだったにもかかわらず、得られなくなってしまった利益)の請求をすることもできます。

こちらは、数千万から場合によっては億単位の金額になることもありますが、精神疾患の発生の原因が例えば責任感の強さや何でもため込んでしまうような本人の性格にもあると判断されれば、その分だけ賠償額が減額されることもありえます(素因減額といいます)。

真面目すぎて損をするというのは、なかなか直感的には理解しがたいところですが、真面目というのはもともと精神疾患にかかりやすい性格と考えられているので、仕方ないことなのかもしれません。

パワハラでうつ病→慰謝料請求に加え「労災保険」を利用しよう

職場いじめやパワハラ等によって不幸にもうつ病・精神疾患を発症してしまった場合

先に述べたような会社や加害者の法的責任だけではカバーしきれないほどのダメージを受けることもあります。

業務上の事由によって疾病や死亡が発生した場合には、労災保険法の適用を受けることができます。

中でも精神疾患による自殺については、以前は「故意による死亡」について保険給付を行わないとする規定(労災法12条の2の2)に該当するとして、長らく労災保険の適用を受けられない時代が続いていましたが、精神疾患による自殺は被害者の自己決定の結果ではないという考え方が支配的になり、今ではそのようなことは少なくなっています。

精神疾患が業務によって発症したものかどうかを判断するにあたっては、旧労働省が以下のような判断指針を示しています。

①認定基準の対象となる精神障害を発症していること
②認定基準の対象となる精神障害の発症前のおおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること
③業務以外の心理的負荷や個体的要因により発症したと認められないこと

①に関してですが、国際的な精神科診断基準によって精神障害と分類されるものが対象となります。これは当然の大前提であり、ケガをしていないのに労災認定が受けられないのと同じことです。

③に関しては、「業務による強い心理的負荷」により発症したかどうかというのが難しいところです。

精神疾患を発症する要因はさまざまであり、それが仕事上の問題により発症したのか、それとも個人的なできごとや既往歴により発症したのかは、医師や本人でさえも何とも言えないケースがあるからです。

業務において強い心理的負荷を与える特別なできごとがあったからといっても、同時期に私生活上の特別なできごとがあったりすると、業務によって発症したかどうかの判断は微妙になってきます。

旧労働省が当初に示した基準はやや厳しすぎたようで、労災申請に対する認定率は3~4割程度にとどまっていましたが、その後何度か基準の見直しが行われ、今では「嫌がらせ、いじめ、暴行」に関しての労災認定はそのほとんどが認められるに至っています。

パワハラ対処法:友人や家族に相談しよう

では、不幸にしてパワハラの被害に悩まされることとなった労働者は、どのようにその問題に対処していけばよいのでしょうか。

労働法的な発想をいったん離れてしまいますが、

何よりも一番大切なのは、自分自身の心と体を守ることです。

なかなか打ち明けにくいことかもしれませんが、まずは友人や家族に相談してみることや、場合によっては医師の診断等を受けることも必要です。

そのうえで、以下の労働法的な相談・解決方法に進んでいきましょう。

まず、労使問題を解決するにあたって必ず向かい合うことになるのは、会社そのものです。

もし、理解ある上司や同僚などがいるのであれば彼らに相談して、パワハラの事実を公然のものとし、使用者にパワハラの存在を認識させることが解決へのスタートになります。

ただし、特に小さな会社や事業所などでは、使用者を含めた全員から職場いじめやパワハラを受けているというケースも考えられますので、その場合はこの段階をすっ飛ばすことになります。

パワハラ対処法:訴える証拠を残す(証拠なしはダメ)(メモなど)

会社がパワハラを認識してもなお問題解決に取り組まない場合には、具体的なパワハラが存在する事実をもって、交渉や法的手続に臨まざるを得ません。

そのためには、自分が受けているパワハラの加害者や日時、内容といったことをとにかく記録したり、第三者に相談するなどして、客観的な証拠を準備することが望ましいといえます。

メモやメールといったものも証拠にはなりますが、事後的にまとめて作成したり、内容を改ざんしたりと、正確な情報であることが必ずしも証明できない場合がありえます。

これに対して音声データは客観性に優れており改ざん等も困難であることから非常に高い証拠能力を持ちます。

今では、わざわざICレコーダーを買わなくても、スマホをボイスレコーダー代わりに使うことができますので、パワハラの様子はできるだけ録音しておくべきです。

パワハラの事実をパッチリ記録しておくためには秘密で録音するのが一般的ですが(内緒の録音でも証拠能力は下がりません)、録音していることを宣言したとしても、それはそれで加害者からのさらなるパワハラを抑えることができるというメリットもあります。

パワハラ対処法:裁判せずに訴える先→会社と交渉する場合

パワハラの存在を示す証拠が作れたら、それを会社に突きつけて交渉することとなります。

ただ、自分ひとりで交渉できるくらいの力を持っているなら、はじめから職場いじめやパワハラに悩まされることもないわけです。

弁護士に相談するパターン

そこでまず助けになるのは、やはり弁護士です。

これからも働きたいのでとにかくパワハラをなくしてくれさえすればいいのか、とてもじゃないが働き続けられないので慰謝料がほしいのか、落としどころはどちらも考えられますが、弁護士とよく相談して方針を決め、解決に向けて助力を受けるのがよいでしょう。

ただし、お金を掛けたくない、大ごとにしたくないといった理由で、弁護士に間に入ってもらうのがはばかられることもあります。

国の無料相談窓口を利用するパターン

そのときにもうひとつ助けになるのが、冒頭でもちらっと触れた、労働局などに対する相談です。

平成13年に、個別労働関係紛争解決促進法という法律ができ、これによって全国の労働局や労働基準監督署などに「総合労働相談コーナー」という相談窓口が設けられました。

ここでは、労働問題に悩まされる個別の労働者に対する「総合労働相談」を受け付けており、相談だけで解決しなければ、都道府県労働局長が紛争当事者に対して解決へのアドバイスをする「助言・指導」、さらには学識経験者で組織する紛争調整委員会が労使の間に入って解決案を示す「あっせん」といった手続によって、裁判に頼らないで個別労働紛争を解決することができます。

都道府県労働局長による助言・指導の手続きの流れ

直近では、平成27年度のいじめ・嫌がらせトラブルの助言・指導申出は2049件、あっせん申請件数は1,451件でした。

個別労働紛争解決制度は労働者としては無料で専門的な法的サービスを利用できるというメリットがあるため、全国で年100万件を超える相談が寄せられており、実際に簡易迅速な問題解決に役立っています。

しかし、会社には必ずしも助言指導やあっせんに応じる義務がなく、その場合にはあっせん手続は打ち切られてしまうので、会社の姿勢如何によっては裁判所による法的手続を検討せざるを得ません。

パワハラ対処法:裁判/刑事罰(加害者を処分したい)→裁判/弁護士費用が高め

裁判外の手続で会社が動かないようであれば、いよいよ法的に強制力の手続を利用することとなります。

先に述べた刑事責任を問うためには刑事告訴を検討することとなりますが、ここでは割愛して、裁判手続によって民事責任を追及する方法を考えます。

まず、一番に思い浮かぶのは通常の民事訴訟だと思います。

弁護士に依頼して、揃えた証拠をもとに加害者個人や会社を訴え、彼らの民事責任を問うていくのですが、

訴訟にはそれなりの費用が掛かる上、訴訟を起こしてしまうと会社との信頼関係が完全に破壊されますので、雇用継続を前提とせず、かつ回復されるべき被害(慰謝料や損害賠償の額)が大きい場合に適している手続といえます。

パワハラで訴える先→会社なら労働審判もアリ(弁護士費用が安い)

そして、裁判所では、労働問題を簡易迅速に解決するために、通常の民事訴訟とは別途、平成18年から「労働審判」という手続が導入されています。

これは、裁判官1名と民間人2名で組織される労働審判委員会が、3回以内の期日(裁判所で審理する日のこと)で労使双方に主張や立証をさせ、それをもとに和解を勧めたり、和解が整わなければ審判(通常の民事事件でいう判決)を出したりするという手続です。

この手続は簡易迅速が旨ですので、通常の民事事件に比べて申立費用や弁護士費用が安く、また労働審判委員会が和解的解決を試みることから、通常の民事事件に比べれば労使の心の溝が決定的になってしまわずに済むというメリットがあります。

ただし、この労働審判にはデメリットもあります。

ひとつは、3回以内の期日で終わらなそうな複雑な事件は労働審判になじまず、結局通常訴訟へ移行してしまうことです。

特に、パワハラの問題は、実際の言動を丁寧に事実認定したり、それらの言動と被害(疾病など)との因果関係を細かく判断したりする必要があるため、本質的に労働審判に向かない場合が多いといえます。

もうひとつは、個々の労働者と事業主との間に生じた紛争だけが対象となる制度であるため(労働審判法1条)、上司や同僚との間の紛争はそもそも労働審判手続を利用できないことです。

以上から考えると、パワハラの事実や損害の立証が比較的簡単であって、かつ会社に対して請求するという限られた事案だけが労働審判になじむということになります。

パワハラ裁判/弁護士費用は約50~100万円

パワハラの訴訟にかかる費用は大きく分けると2種類になります。1つは訴訟を起こす際に必要となる「手数料」。もう一つが、訴訟を個人で起こすことは難しいので、弁護士に依頼する際の「弁護士費用」です。

訴訟の際の手数料

訴訟を起こす場合、必ず慰謝料等の損害賠償を請求しますが、損害賠償の請求額に応じて手数料が変わってきます。
 

訴訟額手数料額
100万円以内訴訟額10万円ごとに+1,000円
100~500万円10,000円と訴訟額20万円ごとに+1,000円
500~1,000万円30,000円と訴訟額50万円ごとに+2,000円
1,000万~10億円50,000円と訴訟額100万円ごとに+3,000円

例:
800万円の損害賠償を請求したとしましょう。その場合、30,000+2,000×6(50万円が6回)=42,000円の手数料となります。わかりにくい方は裁判所のHPにも早見表が掲載されています。 

弁護士費用の相場:50~100万円

パワハラでの弁護士費用はおおよそ50~100万円になります。弁護士費用は高額なイメージが有りますが、その通り高額になってしまいます。弁護士費用を特に大きく分けると、着手金と報酬金に別れます。
 

着手金

着手金とは、弁護士に依頼する際にかかってくる費用です。つまり、訴訟に勝っても負けても支払わなくてはなりません。相場としては、訴訟額の8%程度ですが、あらかじめ金額を設定していたり、着手金ゼロ円を謳っている弁護士事務所もあり様々です。
 

報酬金

報酬金とは、訴訟で勝訴になり、受け取ることになった金額に応じて支払う費用です。基本的に獲得金の割合で設定している弁護士事務所が多く、相場としては16%です。こちらも着手金はゼロ円だけど、報酬金の割合が高いなど弁護士事務所によって違います。
 

その他費用

弁護士費用は上記の2つだけではありません。例えば、面談を行ったら1時間1万円や、書類の作成費用、弁護士が裁判所まで移動した交通費などが加算されることもあります。弁護士相談は、費用の事も詳しく聞き、こちらがいくらまでなら用意できるかなども費用面の相談もしましょう。

手数料は負ければ自費、弁護士費用は自費負担

手数料は訴訟に負ければ自費、弁護士費用は基本的に自費という一般的な傾向があります。裁判費用は裁判の結果で左右されることは、分かりやすいですね。
 
一方、訴訟でかかった弁護士費用は、原則的に自費ですが、相手に請求することも可能です。相手のパワハラの内容や被害が大きく違法性が強い時に、弁護士費用も請求することも可能です。
 
一方、何の根拠もなく相手を訴訟してしまった場合、相手が用意した弁護士の費用を請求されかねませんのでお気をつけ下さい。

パワハラ報告書/慰謝料請求の書き方→自分でやらず絶対弁護士に相談しよう

職場いじめやパワハラも同じで、加害者側がパワハラ的な言動に出ているという自覚に乏しい場合も多いために、嫌がらせは一度きりで済むことはなく、毎日のように繰り返されることが多いです。

そのような環境に連日さらされれば、どんな人であっても精神的苦痛が大きくなり、いずれは退職や精神疾患などといった不幸な結果を迎えてしまうことになります。

「法的な対処法」と銘打った記事なのにまったく法的ではないまとめとなって恐縮なのですが、皆さんがもしパワハラに遭っていると感じたときに一番大切なのは、絶対にひとりで悩まず相談すること

パワハラは自分ひとりで悩みを抱え込んで解決する類の問題ではありませんし、自分の心身が安定していなければ「法的な対処法」という次のステップに進むことはできないからです。

社内の理解者でも、家族でも、医師やカウンセラーでも、弁護士や行政の相談窓口でも、どこでもいいですから、とにかく誰かに相談してほしいと強く思います。

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